Working Dogとは、人間をサポートするために働く犬のことである。その形態は、各々の犬種が持つ様々な性質を利用したものだと言える。盲導犬を初めとする近代のWorking Dogも、元々は猟犬の流れを汲む一亜種の性質を利用したものだと私は考えている。
それらの猟犬は、嗅覚や視覚が鋭いセントやサイトのハウンド系、鳥猟を得意とするセッターやポインター系、獲物の回収を得意とするレトリーバーやウォータードッグ等、狩猟方法によって使い分けられてきた歴史をもつ。
さて我がラブラドール、ピート君の歴史であるが、狩猟の変遷と絡めて考えると面白い。17世紀頃散弾銃が発明され、飛来する水鳥を容易に打ち落とすことが可能となったが、いちいちボートを出して獲物を回収していては手間が掛かる。そこで回収に秀でた犬の出番となる。つまり、散弾銃が発明されて以降、人間の手によって改良されてきたのがラブラドールという回収犬だと言えよう。これが、ラブラドールをガンドッグと呼ぶ所以であると考えている。
一方、産業社会の発達や動物保護の観点から狩猟が衰退してきた今日、これら狩猟犬種の中で、人間社会のサポート犬として圧倒的なシェアーを誇っているのがラブラドールである。何故そうなのかは、ラブラドールという犬種と一緒に生活してみて初めて理解し得る。それは、人間に対して殆ど敵意を示さない性質を持っていること。つまりはフレンドリーの一言である。
Working Dogの前書きが長くなったが、家庭犬となったピートにも、その回収犬としての性質を見ることができる。先ずは、人間の行いを黙って観察しているのである。そして、私が手に持っていた道具を置いておくと、暫くしてそれを私のところまで持ってくる。フリスビーとかの遊びの中での行動ではなく、人間のお手伝いという認識のようである。時として、運んでいるものを’持たせろ持たせろ’と盛んにアイコンタクトしてきて困ることもある。
(右は、バケツを持ってついてくるピート。お手伝いのつもりであろう)
このように、レトリーバーとして改良されてきた歴史を持つピートは、様々な場でその名残を見せてくれる。出来れば、受継いできた性質のまま過ごせるような環境で、共に生活をしてみたいものである。
最後に何ともキュートな、そして平和な雰囲気を醸し出しているWorking Dogを見てみよう。
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