2010年8月24日火曜日

(5)森で遊ぶ

ピートは我家にすっかり慣れ、極普通の家庭犬になった。
ラブラドールと実際に生活をして見ると、実にフレンドリーでお人好しであることが分かる。 このような犬種とは、ノーリードで森や公園を散歩してみたくなる。


(誰もいない牧場をのんびりと散歩するピート)

ノーリードで散歩する楽しみは、ピートの自由でのびのびとした表情や犬らしい自然な行動を見られることにある。それは、ひと気のない牧場や森の入り口から始めるのであるが、自然からの誘惑に戸惑うシーンも数多くある。岩場に干乾びたトカゲの死骸があると、あっ!と言う間もなく、ピートはバリバリと食してしまう。途中、猪に「ウゥ~」と威嚇の声を発して追っ払 ったり、はたまた鹿の群れに遭遇すると、その後を追って、どんどん森の奥へ入って行く。

(名残雪を踏みしめ、早春の八ヶ岳南麓をノーリードで散歩するピート)

注意しなければならないのは、森の中で上向き加減に匂いを嗅ぎ出した時である。この動作を示した後、必ず一方向へ走り出す。この時ばかりは、ストップのコマンドもピートの耳には届かない。そして、走り出した先には、獣の死骸を咥え、満足げな顔をしているピ ートの姿があるのだった。ピートは、人間の手を借りずとも、自然の中で充分に生きていくことができるのである。このような行動を野蛮だと思う人もあろうが、家庭内では決して見ることのできない真の姿である。ピートは自然の中で、犬本来の性質が優先するワイルドドッグに、それも楽しげに変身するのである。


(タイガの森が広がる風景:ウィキペディアより)

このようなピートを見ていると、ラブラドル半島のような大自然の中で、それもノーリードで自由に過ごさせたいと思うのである。

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